本企画展では、ハンセン病療養所に入所していた海外ルーツの人びとに光を当てます。
とりわけ数の多かった在日朝鮮人※の入所者に関する資料を中心に構成しています。苛酷な土木作業に用いられた道具、1959年以降の年金獲得をめぐる闘争の記録、民族のアイデンティティを守ろうとした生活の様子、民族舞踊の衣装や楽器、文学作品などをテーマごとに整理し、これらを初めて一堂に展示します。さらに、ロシアやインドネシアや台湾にルーツを持つ入所者にも注目します。
展示を通して、多様な人びとが過酷な隔離政策のもとで闘い、尊厳を保って生きた姿を伝え、ハンセン病問題への理解を深めるとともに、多民族共生という現代的課題についても考える契機とします。
※本展示では「朝鮮籍」「韓国籍」を問わず「朝鮮人」の語を使用します。
企画展 開催概要
【会期】
2026年7月18日(土) から 11月29日(日)
【場所】
国立ハンセン病資料館 2階 企画展示室
【開館時間】
午前9時30分 から 午後4時30分(入館は午後4時まで)
【休館日】
月曜日、月曜日が祝日の場合はその次の日、年末年始
【入館料】
無料
※上記の内容は予告なく変更する場合があります。
イベント情報
アーサー・ビナード氏 トークセッション 手話通訳あり
あなたの「母語」は何ですか?―あえて日本語でものを書く人びとを探る
療養所には、海外にルーツを持ちながら日本語による文学実践を行った人びとがいました。
詩人と担当学芸員の対話を通じて「第一言語ではない日本語」で表現することの意味を探ります。
◆2026年8月22日(土)
14時~15時30分(開場13時30分)
◆国立ハンセン病資料館 映像ホール
◆定員140名 HPからの事前申し込み制
7月1日(水)正午12時より申し込み開始
キャンセルが出た場合は、当日13時より受付で当日券を配布します。
◆手話通訳をご希望される方は、8月14日(金)17時までにお申し込みください。
講師 プロフィール
アーサー・ビナード(Arthur Binard)氏
詩人。1967年、アメリカのミシガン州に生まれ、五大湖に囲まれて育つ。高校生のころから詩を書き出し、コルゲート大学で英文学を学ぶ。卒業と同時に来日、日本語でも詩作を開始。第一詩集『釣り上げては』(思潮社)が中原中也賞に選ばれる。『日本語ぽこりぽこり』(小学館)で講談社エッセイ賞、『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、『さがしています』(童心社)で講談社出版文化賞絵本賞。ラジオの仕事も多く、2021年に日本民間放送連盟賞グランプリを受賞。
木村哲也
国立ハンセン病資料館 学芸員(企画展担当者)
劇団タルオルム
演劇「島のおっちゃん」上演
ハンセン病療養所・長島愛生園を舞台に、そこに生きた在日朝鮮人の入所者と彼と交流した少女の姿を通して、隔離の現実と心の通い合い、そして人間の尊厳を描き出します。
◆2026年9月19日(土) 2回公演
①11時-12時30分(開場10時30分)
②14時30分-16時(開場14時)
◆多磨全生園 公会堂
(いつもと会場が異なりますのでご注意ください)
◆定員各回200名
8月1日(土)正午12時より申し込み開始
劇団タルオルム プロフィール
2005年大阪を拠点に、在日コリアンと日本の有志達により結成。闇を照らす月光のようにと、タル(月)オルム(昇り)と命名。「おとうとが消えた日」「島のおっちゃん」「ウトロ」「そのまなざしのむこう」「4.24の風」「さいはての花のために」と作品を次々に発表し、日本全国にある朝鮮学校や、日本学校での公演を精力的に行なっている。主に在日コリアンのルーツを辿る作品や、伝統文化の歌や楽器を取り入れた作品を創作している。公演依頼はお気軽にどうぞ。
「第1回関西えんげき大賞」にて「さいはての鳥たち(2022年)」が優秀作品賞に選出。
釜山で上演した「風の声」が韓国2023RED AWARDS 『注目すべき視線』部門を受賞。
HP : https://dal-o-reum.com/
E-mail : talorum2005@yahoo.co.jp
星名宏修氏 講演会 手話通訳あり
植民地期台湾のハンセン病文学
日本の植民地期台湾におけるハンセン病文学に注目し、書き手の経験や思いを読み解きます。文学表現を通じ、ハンセン病問題への理解を多角的に深めます。
◆2026年10月25日(日)
14時~15時30分(開場13時30分)
◆国立ハンセン病資料館 映像ホール
◆定員140名 HPからの事前申し込み制
9月1日(火)正午12時より申し込み開始
キャンセルが出た場合は、当日13時より受付で当日券を配布します。
◆手話通訳をご希望される方は、10月16日(金)17時までにお申し込みください。
講師 プロフィール
星名宏修(ほしな・ひろのぶ)氏(一橋大学 教授)
日本植民地期の台湾文学を専門とし、とりわけ文学史には載らないような「無名」の書き手に注目してきた。近ごろはハンセン病をめぐる文学の分析を通して、国家による隔離政策と文学表現の関係を明らかにしている。周縁化された人びとの語りに注目し、文学の立場からハンセン病問題を再考する視座を提示している。
アコースティックギターによる
中川敬氏 弾き語りライブ
中川敬氏(ソウル・フラワー・ユニオン)は、日本のロック/ソウル・シーンを代表するミュージシャンであり、戦争や差別、震災、貧困といった問題を題材に、力強い言葉と多様な音楽性で作品を発表してきたほか、被災地や各地の現場に足を運び、音楽を通じた連帯の実践にも取り組んできました。その活動は単なる音楽表現にとどまらず、社会への問いかけと人びとを結びつける営みとして、高い評価を受けています。
本イベントは、中川氏の弾き語りを通して、ハンセン病問題をはじめとする、現代社会の偏見や排除の問題を、共に考える場としたいと思います。
◆2026年11月14日(土)
15時~16時(開場14時30分)
◆国立ハンセン病資料館 映像ホール
◆定員140名 HPからの事前申し込み制
10月1日(木)正午12時より申し込み開始
キャンセルが出た場合は、当日13時より受付で当日券を配布します。
中川敬(なかがわ・たかし)氏 プロフィール
ロック・バンド「ソウル・フラワー・ユニオン」のヴォーカル、ギター、三線。前身バンド「ニューエスト・モデル」に始まり、並行活動中の「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」や弾き語りソロなど、多岐にわたる活動で、作品やライヴを通じて多くの人々を魅了している。トラッド、ソウル、ジャズ、パンク、レゲエ、ラテン、民謡、チンドン、ロックンロールなど、あらゆる音楽を精力的に雑食・具現化する、これらのバンドの音楽性をまとめあげる才能をして、ソング・ライター、プロデューサーとしての評価も高い。
また、阪神淡路大震災の際、民謡や戦前流行歌などをレパートリーに、避難所、仮設住宅、復興住宅などで二百回を越える出前ライヴを行ない、2011年の東日本大震災においても、東北各地の避難所、仮設住宅などで三十回ほどライヴを行っている。「満月の夕(ゆうべ)」は、1995年2月、神戸の避難所で生まれた名曲である。東ティモール、パレスチナ難民キャンプ、フィリピン・スモーキーマウンテン等、世界のマージナルな場所でのライヴも敢行している。
2015年から本格的にアコースティック・ギターの弾き語りで全国ツアーを開始。2020年12月にソウル・フラワー・ユニオンのアルバム『ハビタブル・ゾーン』をリリース 、2023年に第5弾ソロアルバム『夜汽車を貫通するメロディヤ』をリリースしている。
2026年は、ニューエスト・モデル結成40周年と還暦を迎え、全国各地で記念ライヴを行う予定。
担当学芸員によるギャラリートーク(全10回)
当企画展の担当学芸員・木村哲也が、展示資料の背景にある意味や入所者のエピソードなどを解説し、ハンセン病問題への理解を深めます。
2026年
◆7月19日(日) ◆8月 2日(日)
◆8月 8日(土) ◆8月14日(金)
◆9月13日(日) ◆9月27日(日)
◆10月3日(土) ◆10月17日(土)
◆11月22日(日) ◆11月28日(土)
すべて14時-(45分)
◆国立ハンセン病資料館 企画展示室
◆定員30名 事前申し込み不要
団体向けギャラリートーク
10名様以上、30名様以下の団体向けの ギャラリートークを会場で実施します。
お申込みは下記にお問い合わせをお願いいたします。
◆見学希望日の1週間前までにお申し込みください。
◆都合により日時・内容等のご希望に添えない場合がございます。予めご了承願います。
<団体向けギャラリートーク お問合わせ先>
国立ハンセン病資料館 事業部事業課 木村哲也(担当学芸員)
チラシのダウンロードはこちらから(PDF:2.71 MB)