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2021.03.30

【開催報告】ミュージアムトーク 2021(第3回 オンライン開催)
※イベントは終了いたしました。

『青い芽』の版画 ギャラリートーク  当日の記録をYouTubeでご覧いただけます。

講師 西浦直子(にしうらなおこ 当館学芸員)

2020年8月にお送りした「『青い芽』の中学生たち」の続編です。多磨全生園で中学生時代を送った子どもたちの卒業文集『青い芽』には、版画が100点以上綴じこまれていました。作品はどれも鮮やかで、療養所を通り抜けた中学生たちの「今、ここ」が力強く表現されています。3月のトークでは本展に合わせ、展示会場からライブで解説をお届けします。(西浦)

開催概要

2021年3月20日(土)14時 から 15時30分 zoom配信

事前申込制・定員100人(申込先着順)

イベント当日の受付開始 13時45分

『青い芽』の版画展についてはこちら

 

『青い芽』の版画 ギャラリートーク 開催報告

講師 西浦直子(にしうらなおこ 当館学芸員)

2020年8月に実施した「『青い芽』の中学生たち」の続編となる本編では、多磨全生園で中学生時代を送った子どもたちの卒業文集『青い芽』に綴じられていた版画作品を紹介しました。展覧会のタイトルにある「日常」はあくまで隔離生活の中でのそれでした。鮮やかで力強い版画作品に刻まれているのは学校生活に留まらず、子どもたちの視点が捉えた療養所の様子です。刈り込まれた柊の垣根にはじまり、桜と思われる大木、教室内のストーブ、洗濯場や患者作業の様子等をも記録しています。一方帰郷や家族との面会の場面は描かれず、その事実が意味するものを視聴者に問いかける内容ともなりました。アフタートークでは視聴者のご質問にお答えし、学芸員の橋本彩香、学芸員補の吉國元の目に留まった版画作品についてお話ししました。アンケート等でいただいたご意見を活かし、今後もハンセン病問題についてさまざまな切り口からトークをお届けしてまいります。

アンケートより

  • 最後に触れておられた実家や面会に来た家族の事は作品に出ていないということに通常の「日常」とは違う暮らしだったのだと突きつけられたように思いました。資料館では大人の作品は多く展示されていても子どもたちのことはあまり取り上げていないとおっしゃっていましたが、前回の朗読もそうですが、子どもなりに絶望や悲しみが綴られていて、でも未来にも希望は消えていない気持ちが入りまじっている年ごろだと伝わってきました。取り上げてくださり本当にありがとうございました。
  • たくさんの人が思いを込めて版画を作っているところがすごいと思いました。8月のミュージアムトークで『青い芽』をご紹介いただいた時から、生徒さんたちがどのような版画を制作していたのか気になっていました。このため、今回のトークもとても楽しみにしていました。ありがとうございました。
  • 文集に版画が掲載される最後の号となった1975年は、私も彼女たちと同じ中学生でした。学芸員さんの「当時の流行も取り入れている」のお話に、「そうそう、こんなだった~」と懐かしく思い出しました。先生からのコメントには「その楽しさを見てやってください」と書かれていたそうですが、見ている私も楽しく、懐かしくなる作品でした。
  • あおば町出身者です。確かに子供時分に、築山で遊んだことがありますが、ヴィーナス像があったのを覚えています。今の所在も気になりますね。でも背景を知れたのはよかったです。ありがとうございました。

…ほか多数のご回答をいただいております。ありがとうございました。

当日の記録をYouTubeでご覧いただけます。