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2021.03.06

【開催報告】ミュージアムトーク 2021(第2回 オンライン開催)

家族の語りを聞く ―絵本『ツルとタケシ』原画展から

講師 辻 央(つじあきら 沖縄愛楽園交流会館学芸員)

2019年、ハンセン病家族訴訟の原告勝訴が確定しました。提訴した原告の4割は沖縄県在住者でした。裁判で家族が求めていたのは、国の謝罪や補償だけでなく、ハンセン病をめぐる問題への理解や差別偏見の是正であり、現在も多くの課題が残されていることが浮き彫りになりました。残された課題にどのように向き合っていくのか。家族の語りを聞くことから始めたいと思い開催した、絵本『ツルとタケシ』原画展からお話します。(辻 央)

開催概要

  • 2021年2月20日(土)14:00~15:30(予定)zoom配信
  • 事前申込制・定員100人(申込先着順)
  • イベント当日の受付開始 13:45

 

家族の語りを聞く ―絵本『ツルとタケシ』原画展から 開催報告

辻 央(沖縄愛楽園交流会館学芸員)

ハンセン病患者・回復者の家族の語りを聞くことについて、2020年の絵本『ツルとタケシ』原画展をめぐってお話しました。冒頭に、沖縄愛楽園と宮古南静園にとって沖縄戦とハンセン病問題は切り離せないこと、現在も家族や回復者が語りにくい状況があり、それは沖縄戦の語りと構造的に似通っていること等についての説明がありました。続いて絵本『ツルとタケシ』の読み聞かせの紹介、作者の儀間比呂志がハンセン病差別と向き合い版画の製作に至る経緯、交流会館での家族の語りを聞く講演会等の試みについてご紹介いただきました。

参加者からは、交流会館での取り組みに対する愛楽園在園者の思い、沖縄戦とハンセン病問題とのかかわりなどについて多くのご質問がありました。また平和学習とハンセン病問題を重ね合わせて学ぶ現場として沖縄愛楽園の活動に高い関心が寄せられていました。各療養所の社会交流会館等と、当館を結んでお届けする初めてのミュージアムトークは、北海道から沖縄まで、各地からのご参加をいただきました。アンケート等でいただいたご意見を活かし、今後もハンセン病問題についてさまざまな切り口からトークをお届けしてまいります。

アンケートより

  • 愛楽園での取り組みについて具体的に知ることができる機会は東京ではほとんどないことなので、貴重な機会に感謝します。Zoomの利点を活かした有意義な取り組みだと思いました。
  • とてもよかったです。絵本「ツルとタケシ」の読み聞かせ、残りも聴いてみようと思います。今日はありがとうございました。
  • 本日は、貴重なお話ありがとうございました。沖縄豆記者との交流活動に関わっている北海道ものです。過去多くの記者が作成した新聞記事の中でのハンセン病問題が多く取り上げられなかった理由が分かったような気がしました。今後、微力ではありますが、応援していきたいと思います。
  • 沖縄発のトークということで、楽しみにしていました。(伊波敏男さんの著書で愛楽園を知っていましたので)テーマから家族訴訟関連とは予想していましたが、原告の割合の多さには今まで気づいていませんでした。人の出入りが本土に比べ制限される島嶼地域なればこそ、地域社会の目が行き届きやすく、異質なものの排除に向かったのでしょうか。性質は違うとはいえ、コロナでも(初期よりは罹患者も増えたため糾弾の雰囲気は減ったものの)冗談交じりにバイキン扱いしたり、今でも本質は変わらないと思います。自身も条件次第で当事者になりうる意識を持たないと、と思わされました。内容が重いだけに気軽には手に取れないのかもしれませんが、学校などで広く扱われていなさそうかつ絶版で残念です。気軽に訪れられない身にはとてもありがたい企画でした。
  • とても丁寧な語りと解りやすい画面や動画で深い学びの時間となりました。ありがとうございます。沖縄という土地ならではのハンセン病問題を教えていただいた思いです。また辻さんのお話を聞く機会があったら嬉しいです。

…ほか多数のご回答をいただいております。ありがとうございました。

開催の様子

 

当日の記録をYouTubeでご覧いただけます。