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トップ イベント情報 イベント一覧 <終了しました>【開催報告】第4回ミュージアムトーク2023/絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年

2024.03.08

【開催報告】
第4回ミュージアムトーク2023/絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年
※イベントは終了いたしました。

絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年 当日の記録をYouTubeでご覧いただけます。

講師 吉國元(国立ハンセン病資料館学芸員) 

国立ハンセン病資料館2024年企画展「絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年」(日時:2024年3月2日 から 9月1日)に関するミュージアムトークを開催します。
今からおよそ100年前、1923年10月31日から同年11月3日までの会期で、第一区府県立全生病院(現・多磨全生園)の礼拝堂にて「第壱回絵画会」が開催され、同病院の設立以降初めて、入所者による絵画が展示されました。この催しについて、出品作品及びその描き手は一切不明ですが、入所者の山本哨民(やまもとしょうみん)は、「かの絵画会は 全患者の向上をあらはしたと共に将来の何物かの暗示であらねばならぬ 何れにしても喜ばしき事で有った」と報告しています(山本哨民「第壱会絵画会を見て」『山桜』第5巻第9号、1923年12月)。
今回のミュージアムトークでは、この「第壱回絵画会」のほか、企画展のための調査で得られた成果を報告します。絵画活動の黎明期から、戦中から戦後及び、近年に至る動きをたどり、隔離政策下のなか、やがて園の内外へと展開した文化運動として、絵画を読みといていきたいと思います。

左から)
・氷上恵介による表紙カット『山桜』(第31巻第6号、1950年2月)
・国吉信『桜』(キャンバスに油彩、制作年不明)
・鈴村洋子、絵を描いたTシャツ(布にサインペン等、制作年不明)
すべて国立ハンセン病資料館蔵

 

開催概要

【日時】
2024年3月23日(土)14時 から 15時30分

【開催方法】
会場参加(140人まで)/Zoomウェビナーによる配信(100人まで) ※イベントは終了しました

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多磨全生園絵画の100年 開催報告

講師 吉國元(よしくにもと 国立ハンセン病資料館 学芸員)

当日は、会場31人、オンライン53人のご参加をいただきました。
今回は、開催中の企画展「絵ごころでつながる-多磨全生園絵画の100年」(会期:2024年3月2日 から 9月1日)に関するミュージアムトークです。
今からおよそ100年前、1923年10月31日から同年11月3日までの会期で、第一区府県立全生病院(現・多磨全生園)の礼拝堂にて「第壱回絵画会」が開催され、同病院の設立以降初めて、入所者による絵画が展示されました。
今回のミュージアムトークでは、この「第壱回絵画会」をはじめとする黎明期から、戦中から戦後及び、近年に至る100年の動きをたどりました。

アンケートより

  • かろうじて残された資料をもとに100年の通史を描きだすこと、とても骨の折れるお仕事だったと思いますが、すばらしかったです。また、描くことが叶わなかった人、女性の描き手の存在についての言及や、絵を描くという行為に託されたものをみなで問おうとする姿勢など学ぶところが多かったですし、とてもアクチュアルなものとして響きました。ありがとうございました。
  • 描き手たちが、療養所のなかで、自分と真摯に向き合う姿に感動しました。とくに自画像には、胸を打たれました。こちらの心が洗われるような気がいたしました。ぜひとも近いうちに、資料館に行って、拝観しようと思います。解説、ありがとうございました。
  • 本当に素晴らしい企画だと思いました。入所者の方々の人格や感情が、絵画や詩による表現(そして吉國さんの言葉)を通じて、時を超えて心に染み込んでくるように感じられました。互いを尊重し認め合える社会というのは、当たり前のようで当たり前でなく、常に学び、伝えていくことが必要だと強く思いました。貴館の皆様のここまでのご準備と運営のご苦労に、心からの敬意と感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
  • 100年という歴史の中で描かれてきた作品、そして絵を描いた人々の人物像や想いに触れることができ、貴重なお話でした。期間中にぜひ展示を見に行きたいと思います。
  • 吉國さんの説明が非常にわかりやすかったです。またところどころで挟まれた「私の感想ですが」「私が思ったことですが」の先に続く内容が、研究過程の中でこそ発見、感じたものと思われ、とても印象的で心に響きました。
  • 氷上恵介の活動を中心に、日本の美術史の本流としては扱われてこなかった美術と療養所、ケアとの関係を知ることができ有意義でした。ありがとうございました。
  • 展示室を回りながらお話いただく映像も含め、オンラインでしたが、臨場感あふれるわかりやすいトークイベントでした。ありがとうございました!近々、実際に展示を拝見しに参ります!
  • 先日のギャラリートークにも参加しました。吉國学芸員の、入所者の方に寄添う解説はとてもわかりやすく、心に響くものがありました。
  • 今回の特別展はすでに拝見したのですが、お話を伺ってもう一回見たくなりました。特に鈴村さんのはがきを。
  • 東京までなかなか行けないので、今日お話を伺えてとてもよかったです。
  • 解説がとてもわかりやすかったです。今後のイベントも楽しみです。
  • とても有意義なイベントでした。国立ハンセン病資料館へ行き、実際の展示を拝見したいと思いました。
  • 今回のお話とてもよかったです。資料館に直接行ってみたいです。心の底から絵を描きたかった方々の思いを直接感じたい。
  • 今回の講演を手がかりにこれからいろいろなことを考えていきたいと思いました。研究紀要も拝読いたします。
  • 遠方から簡単には訪ねられないので、大変有意義だった。

…ほか多数のご回答をいただいております。ありがとうございました。

 

≪お問い合わせ≫
国立ハンセン病資料館 ミュージアムトーク担当
mail:mt@nhdm.jp
※休館日およびイベント当日12時以降はご対応できません。事前にお問い合わせください。