展示のご案内

出土遺物 (南京錠、眼鏡、お椀)

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 平成25年に特別病室(重監房)の残された基礎部分の発掘調査が行われ、複数の貴重な遺物が出土しました。

出土したいくつもの南京錠は、過酷な監禁施設であったことを今に伝えています。

証言どおり木製の欠けたお椀も出土しました。このお椀に僅かな白湯などを与えられたといいます。

かつて収容者が愛用していたと思われる眼鏡は、視力の弱い人にとって自分の眼のように大切な物であるにもかかわらず、退室時に本人に戻されることなく、永い間人知れず土中に捨て置かれていました。

「病気を忌む。」という言葉があります。これは、病気そのものを嫌うことで「病気を患った人を嫌う」ことではありません。しかしハンセン病を患った人々は、世間からまるで「その人が病気そのもの」であるかのように忌み嫌われてしまいました。人と病気を混同する誤った認識があったのです。
「人が人を大切に思う心」があれば、この眼鏡は土に埋もれることなく、持ち主の元へ戻ったに違いありません。人を人と思わない悲劇が再び繰り返されないように、残された負の遺産を後世に伝え、人の命の大切さと人権尊重の精神を語り継ぐことが大事なのではないでしょうか。

展示室

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 展示室には、重監房(特別病室)の一部を実寸大で再現したスペースがあり、再現映像や20分の1の縮尺模型をご覧いただけます。
また、貴重な証言や記録をパネルにして展示しているほか、映像を見ながらハンセン病をめぐる問題を考える場所やレクチャー室などがあります。

第1展示室
全体再現模型(縮尺20分の1) 収監者の記録パネル
再現映像コーナー 重監房(特別病室)実寸大再現展示
第2展示室
出土遺物展示発掘調査報告 証言映像ブース
その他の施設
レクチャー室 エントランスホワイエ